HWJ東大阪〜地域から発信殺処分ゼロへ〜
こんにちは。
e-yan通信部です。
暑さもようやく峠を越したそうですがいかがお過ごしでしょうか?
花火大会、海、バーベキュー。夏はイベントが盛りだくさん。
熱中症、食中毒にならないよう気をつけて楽しみましょう。
私たちは今回HWJ東大阪のやまぎしちはるさんを取材しました。
明るい笑顔で迎えてくださったやまぎしさん。
和やかな雰囲気の中で取材させて頂きました。
HWJ東大阪とは
HWJ東大阪とは、人と動物が幸せに暮し、全国で問題になってる犬猫の殺処分をしなくてもいい街にしたい!と思う仲間の集まりです。
特徴は、色んな分野の団体さんと、コラボして、興味のない人たちにも、犬猫たちの事を知ってもらうように活動しています。
主な活動内容は、
- 犬猫全国収容情報の発信
- 飼い主マナー大作戦
- 動物愛護パネル写真展
などを行っています。
飼い主がいない動物への苦情内容で、糞尿や悪臭で困っているという意見が多く、人々に不快感を与えています。
それにより、行政に野良犬や野良猫などを捕まえてほしいと市民が依頼し、保健所などに収容され殺処分の増加が問題となっています。
マナー大作戦は、街の環境を守るためだけでなく殺処分の抑制にも繋がっています。
人とペットが心地よく暮らせるようにする第一歩目がフンを持ち帰ることであると私たちは感じました。
やまぎしさんにインタビュー
―この活動を行おうと思ったきっかけは何ですか?
(やまぎしさん)
数年前、ペットショップで可愛い~と思い、ハムスターの扱い方の知識がないまま衝動買いしてしまい、すぐに亡くしてしまった経験があります。
そしてネットで飼い方を勉強してたら、たまたま殺処分というユーチューブのバナーをクリックしてしまい、犬猫の事を知って、あまりにもショックで立ち直れませんでした。
そして悲しんでいるだけではどの子も救えない!と正気にもどり、本気で何とかしたいと思い、今に至っています。
―なぜ東大阪で活動を始めようと思ったのですか?
(やまぎしさん)
とある日のセミナーで有名な動物愛護の一人者の方にどうしたら殺処分を無くすことができるか質問をしたところ、
“敵を倒すには、敵を知ることだ”
と言われました。
その時に、「自分の地域を知ることだ!」と思い東大阪で活動しています。
―これからやろうとしていることはありますか?
(やまぎしさん)
今までやってきたことを充実させ、大人にももちろんですが、子供たちに向けての啓発活動をやって正しい知識をつけていただけるようにしたいです。
無邪気に駆け寄る子供の行動は犬にとっては恐怖である場合が多くて、噛みつかれることも多々あります。
お互いが悲しい思いをしないための活動も行っていきたいと思います。
―殺処分を無くすために私たちが協力できることは何ですか?
(やまぎしさん)
ペットを飼うのなら、最後まで家族として飼うことですね。
ペットをもし迎えるのなら、ペットショップに行く前に保健所や愛護センター、愛護団体から里親として迎えることを視野に入れてみてください。
飼い主として正しいしつけやマナーを守ること、猫は家の中で飼うこと、 避妊・去勢をすることも大事です。
これは数が増えない事もあるけど、病気の予防にもなるのでしてください。
ボランティアに参加したり、犬猫が今、おかれてる現状を周りに伝え、自分にできることをやってみるのもひとつです。
今後の展望
欧米諸国では動物愛護活動が盛んなのに対して、日本はまだ動物愛護後進国と言われています。
東大阪は 2019 年にラグビーワールドカップが行われます。
そして、2020年には東京オリンピックがあります。
それをうけて、今、世の中の流れでは、犬猫の殺処分0を訴える人が多くなったのではと感じます。
HWJ東大阪さんは、人と動物が幸せに暮せてる街になることが最終的な目標です。
飼い主のマナーが守られて、自分たちより弱い命を思いやる心が持てるように、啓発活動を中心に頑張っていきたいとおっしゃっていました。
自分たちの知らないところで、地域の方がこういった活動をしてくれているということ、避けては通れない殺処分問題と向き合っている人がいることを、市民の方が少し知ることで解決に近づいていくということを感じました。
チラシの種類も豊富です。
HWJさんオリジナルのチラシと市が作成したチラシがあります。
ぜひ、一枚手に取ってご覧ください。
譲渡会に行ってきました
後日、東大阪市動物指導センターで行われた犬・猫の譲渡会を見学させてもらいました。
年に2~3回、平日來所できない方のために譲渡の申請を受け付ける犬猫の譲渡会が行われるということで、タイミングよく伺うことが出来ました。
始めに今回譲渡されるワンちゃんとネコちゃんを見ました。
私たちが部屋に入ると、元気にしっぽをふって迎えてくれ、じゃれあって遊んでいる姿を見ることができました。
飼い主さんとなるほうも真剣にパートナーとなる犬猫を選んでいました。
実際に抱っこしたり、写真を撮っている姿も見受けられ、自然と笑顔があふれていました。
譲渡は誰もが簡単に出来るわけではなく、新しい飼い主が責任や愛をもって最後まで飼育できるか、ペットにかかる費用が払えるかなど含めて面談・自宅調査が行われます。
そのあと2週間のトライアル期間が設けられ、正式に譲渡される形になります。
東大阪市動物指導センターでは、引取った犬や収容した犬猫を譲渡する「犬猫の譲渡制度」が設けられています。
同様に引取り数の減少を図るため犬猫をゆずりたい方と犬猫を飼いたい方を仲介する制度「犬猫の出会い広場」も行っています。
譲渡だけでなく、飼い主の手元にいる状態で犬猫の新しい飼い主を探している方と飼いたい方を仲介する出会いの場も設けている制度が東大阪市にはあります。
今回実際に譲渡会を見学させていただいて見えたことは、
動物は飼い主を選ぶことはできないということです。
日本では約2500万頭の犬猫がペットとして飼われていると言われています。
その一方で年間約32万頭もの犬猫が保健所や動物愛護センター等の施設に引き取られています。
そのうち大部分を占めているのが飼い主の持ち込みによるものです。
1年間で28万頭以上もの犬猫が殺処分されています。
1日約800もの犬猫が殺処分されているという計算です。
犬や猫をはじめ、動物を飼うことは、動物の命を預かることです。
飼うと決めるのは簡単なことではないし、一度飼った動物は「要らない」では済まされません。
東大阪市動物指導センターのホームページには、譲渡を希望される方に、終生飼養ができるかどうか、もう一度考えようという啓発文が書かれています。
所長さんの話を聞いて
所長の小泉さんにお話しを伺った中で一番響いたのは、
「みんなには幸せになってもらいたい」
という言葉です。
所長さんは保護している犬や猫の情報がすべて頭に入っていて、一匹一匹がどんな性格でこういう一面があるということを全て把握されていました。
この子たちを保護して譲渡するところまで見守っている所長さんがいう「幸せになってもらいたい」という言葉には並々ならぬ想いが込められていると私たちは感じました。
職員さんが犬たちにしつけしている姿、新しい飼い主さんが見学している際に「この子は○○でね。」と丁寧に説明されている姿、新しい飼い主さんが真剣に選んでいる姿。
その全てが私たちには考えさせられるものがありました。
殺処分などが深刻な問題であるのは事実ですが、ここでは動物たちが幸せに暮らせるための積極的な場所であることがわかりました。
悲しいだけでなく、愛をも感じ、命と向き合う姿に心打たれました。
やまぎしさんを中心に活動するHWJ東大阪さんは地元東大阪で啓発活動を行っています。
東大阪市動物指導センターでは、譲渡システムなどを行っています。
まずは地域のことに目を向けることが大切なのだと気づくことができました。
みなさんもぜひ一度地域のことを調べてみてください。
取材を終えて
山口:
今回、取材させていただいて思ったことは、知ることは本当に大切だと思いました。
そして、命の大切さを改めて考えさせられました。
私は、譲渡会が行われていることも知りませんでしたし、東大阪市でHWJさんが活動していたことも知りませんでした。
実際に譲渡会へ行って、新しい飼い主さんがどの子にするかを真剣に選んでいる姿を見てホッとしました。
「どの家に行くかは猫や犬には決めることができない」というのを目の当たりにして、ますます飼う側の責任が問われているなと思いました。
今後、犬や猫を飼う際にはペットショップに行くのではなく動物指導センターや保健所に行こうと思います。
森:
今までの私の考えでは正直、ペットはペットショップで買うものだと思い込んでいたところがありました。
しかし、今回のHWJ東大阪さんと東大阪動物指導センターさんの取材を通して、自分たちに救える命があることを知り、もし自分がペットを飼うとなったら譲渡会や保護施設などに訪れようと思いました。
殺処分される動物が一匹でも少なくなるように、HWJさんの活動やボランティアに参加していきたいと思います。
一匹でも多くの動物が幸せに暮らせるようにできることを頑張りたいと思います。
取材先:
HWJ東大阪 やまぎしちはるさん
Facebook https://www.facebook.com/Hwj2012
ホームページ http://hwjhigashiosaka.web.fc2.com/
メールアドレス hwjgogo@yahoo.co.jp
東大阪市動物指導センター(〒577-0921 東大阪市水走3丁目12番32号)
お問い合わせ:072-963-6211 FAX・072-963-1644
取材班:
山口智子 (近畿大学 総合社会学部 環境系専攻 3年)
森彩香 (近畿大学 総合社会学部 環境・まちづくり系専攻 1年)