商店街から地域を元気に ~野崎参道商店街の立役者~

こんにちは、e-yan通信部です。

今回は、大東市にある野崎参道商店街の活性化に取り組む、野崎参道商店街振興組合理事長の山田修司さんを取材しました。

「日本一の商店街をめざす」野崎参道商店街

 

 

野崎参道商店街は、大阪の東端、大東市にある商店街です。

JR片町線(学研都市線)の野崎駅から徒歩1分の場所にあります。

 

飯盛山を背景に全長350mの直線商店街であることが特徴的です。

 

野崎参道商店街では、地元を盛り上げるためのユニークな取り組みをいくつも展開されています。

そのうちのひとつが、地元の歴史の偉人である三好長慶(みよし ながよし)の功績を見直し、地元の活性化に活かそうとする取り組みです。

 

 

三好長慶は、畿内や四国の8ヵ国を支配していた戦国大名で、「織田信長に先駆けた天下人」とも言われています。

長慶公は、晩年の居城である飯盛城を大東市の飯盛山に築くなど、大東市にとてもゆかりのある武将です。

大東市では、三好長慶や飯盛城を街のシンボルとしてPRする取り組みを推進し、長慶公を「大河ドラマの主人公に」と推す機運も高まっています。

平成29年からは、毎年3月に、市民が甲冑などを着て、野崎周辺を行列する「三好長慶公武者行列in大東」というイベントが開催されています。

野崎参道商店街でも、このイベントを盛り上げるべく、三好長慶生誕の地である徳島県の「阿波踊り」を誘致する取り組みを実施しました。

武者行列とともに披露された阿波踊りは、イベントを大いに盛り上げ、商店街はたくさんの観客でにぎわいました。

 

時代の変化に向き合う商店街

商店街のイベントをはじめ、PR活動、街路灯や防犯カメラの整備など、商店街を盛り上げるための運営を担っているのが、商店街内の約60の商店で構成されている野崎参道商店街振興組合です。

この振興組合で理事長を務めているのが、山田さんです。

山田さんは、理事長をされながら、自ら地元・野崎参道商店街を研究するという意味で「山田研究所」を運営されています。

写真は、研究所でお話をされる山田さんの様子です。

 

 

かつて、日本各地にあった商店街は、「町の顔」として存在し、商店街での祭りの開催など、あらゆる形で地域に貢献してきました。

しかし、時代の変化とともに商店街は時代のある分かれ道で、ある岐路に立たされます。

日本各地の商店街は、高度経済成長期以降、車社会の進展や郊外への大規模小売店舗の出店増加の影響を受けました。

また、インターネット利用者の増加に伴うネットショッピングの普及も、商店街を利用する人の減少につながりました。

野崎参道商店街も、利用者数が減少し、一時は空き店舗が目立つようになったと山田さんは言います。

 

 

「情報」を武器に IT商店街として再出発

活気がなくなった商店街の状況を変えるべく、「日本一の商店街」を目標に、野崎参道商店街は再出発します。

野崎参道商店街は情報発信強化に力を注ぎ出しています。

それは、ライブ配信設備を整備してインターネット番組の配信を行ったり、大型デジタルサイネージを設置したりするなど、商店街のIT化を進めるものです。

商店街のIT化や情報発信を強化する理由は、かつて山田さんが新聞の販売店を経営されていたことが関係しているそうです。

 

山田さん:

「情報」を発信することは、人々を動かす「きっかけ」をつくることだと思う。

新聞の販売店を経営していた時に、チラシを打つことによって物が売れたり、人々が動いたりすることを見てきた。

大東市や商店街は何もないという言葉をよく聞くが、それならもっと地域の情報を探してほしいと思う。

また、商店街を訪れるお客さんにとって、全く知らないお店に入ることは、とてもハードルを感じることだと思う。

商店街やお店の情報を発信することで、そのハードルを少しでも下げたい。

 

学生にメッセージ

最後に、学生にメッセージをいただきました。

山田さん:

死なない程度に失敗をしてください。

失敗することは、必ずしも損をすることではない。

新聞の販売店をやめたときは、1年間仕事がなくなった。

この時は、「失敗」だと思っていた。

でも、この「失敗」の選択肢を選んでいたからこそ、「今」がある。

今、こうして様々な人と出会い、様々な活動をすることができている。

また、自分が正しいと思っていることも、失敗をして初めて間違いだったと気づくことができる。

だから、若いうちにたくさん失敗をしておく方が、人生にとっては得。

 

これから私たちも山田さんを見習い、失敗を恐れずに前に進んでいきたいと思います。

山田さん、貴重なお時間を私たちに提供してくださりありがとうございました。

 

 

 

取材を終えて

【上山】

地元を元気にしていくのはもちろんのこと、まず山田さん自身が常に元気でいるのが商店街の魅力の発信源であると感じました。

常におもしろいことを考え、商店街活性に尽くす山田さんの姿を見習い、自分自身も前向きな気持ちになることができました。

失敗することへの恐怖は,どうしても残りがちなのですがそれを恐れている限り自分は成長しないということがよくわかりました。

 

【大森】

インタビューをする中で、私が印象に残っている山田さんの言葉は、「正解を一つだと決めつけない」という言葉でした。

一つのことにこだわるのではなく、様々な選択肢を考えることで、新たな可能性が広がるという山田さんの言葉は、山田さんのこれまでの人生のなかから生まれた考えなのではないかと私は考えています。

当時は失敗だと感じた「新聞販売店を辞める」という選択肢を選んだからこそ、山田さんには、商店街理事長として活躍されている「今」があります。

何が正解で、何が間違いなのかを最初から決めつけることは、様々な「選択肢=可能性」を消してしまうことになります。

だからこそ、失敗を恐れず、いまできることを、まずはやってみることが未来の自分の可能性を広げることにつながるのではないか。

そんなことを、山田さんから学んだような気がします。

 

【岩﨑】

地域活性化という話はよく聞いたことがあったけど、生の声、話を聞いたのは初めてのことだったので、とても新鮮な経験になりました。

ここまで地域が元気になった今も、まだまだ映画祭や、商店街まるごとビアガーデンをやってみたいと生き生きした笑顔で話してくださった山田さんを見て私も元気な気持ちになりました。

山田さんからの学生へのメッセージとしていただいたのは、「死なない程度に失敗してください。失敗は長い目で見たら成功になっていることもたくさんある。」ということです。

その言葉を聞いて、学生のうちにいろいろなことにチャレンジしてたくさんのことを経験したいと強く感じました。

 

取材先

野崎参道商店街振興組合 理事長 山田修司さん

住所:大阪府大東市北条1-5-33

HP:http://nozaki.info/

 

文・写真

近畿大学総合社会学部3年 上山華凜

近畿大学総合社会学部2年 大森拓実

近畿大学総合社会学部1年 岩﨑千夏

 

 

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