若江鏡神社 ~そばにある見えないものを大切にする場所~

みなさんこんにちは、e‐yan通信部です。

まだまだ暑い日が続きますがみなさんはいかがお過ごしでしょうか?

水分補給などの対策を欠かさず行い、熱中症にご注意してください。

 

今回私たちe‐yan通信部は若江鏡神社に取材させていただきました。

 

 

今回の取材にご協力いただいたのは、若江鏡神社にて宮司をされている奥野紀さんです。

奥野さんは若江鏡神社3代目宮司であり、神社の運営や手入れ以外にも大阪府神社庁の12支部ある中の第6支部の支部長もされています。

 

奥野さんはフェイスブックで神社の情報を発信されています。以下のリンクからぜひご覧ください。

若江鏡神社Facebook:https://www.facebook.com/wakae.kagami/

 

 

今回のトピック

・若江鏡神社とは

・宗教について考えるきっかけ

・奥野さんが考える神社のあり方

・親の背中を見て育つこと

・拝殿のなかでは

・取材を終えて

 

若江鏡神社とは

若江鏡神社は東大阪市若江南町に鎮座しており、大伊迦槌火明大神・仲哀天皇(足仲彦命)・神功皇后(気長足姫命)の三柱の神様を祀られています。

大伊迦槌火明大神は私たちに安全・産業復興・智力をもたらしてくれる神様で、大雷と火明命の二つの神様のお力・性格を一つにして、より大きな御神徳をいただこうとしたものであります。

複数の神様(土地の神様とその他の神様など)を一箇所の神社の御祭神として祀られるようになったのは、中央集権によって各地で祀られている神様が一か所で祀られるようになったからでは、と考えられています。

 

若江鏡神社の創建に関する情報が明確化されていませんが、奥野さんによると1300年ほど昔の文献に名前が出ており非常に長い歴史があるそうです。

過去に一度神社で宮司をされる方がいなかった時期があったため、お祖父様の代から奥野家が宮司をされるようになりました。奥野さんが3代目であるのはそのためです。

 

公式ホームページにはさらに詳細な情報が記載されています。以下のリンクからぜひご覧ください。

若江鏡神社公式ホームページ:http://wakaekagami.jp/

 

宗教について考えるきっかけ

突然ですが、みなさんは何をきっかけとして宗教について考えますか?

人によってはお葬式や元旦など様々ですが、少し変わったきっかけもあるそうです。

 

地元の若江小学校では、授業の一環として若江鏡神社に見学に来ることがあります。訪れた小学生は境内はもちろん、拝殿の中も紹介され地元の文化に触れることができます。

宗教や地元の文化を知ることが出来るきっかけの場として、若江鏡神社は多くの方々から愛されています。

 

奥野さんが考える神社のあり方

神社は神聖な空間の為、特別な用事なく利用するべきではないと考える方もいるのではないでしょうか?

 

神社は村の集会所として利用されていたこともあり、宗教的な用途で利用される「非日常」の側面の他に、それ以外の用途で利用される「日常」の側面も備わっているそうです。

セミ取りや一休みするだけなど、参拝以外にも利用してもらい清らかな気持ちになってもらえれば、と奥野さんは思われています。

 

親の背中を見て育つこと

奥野さん自身や神社についてお話を伺った後、話題は「家族」に変わり「親の背中を見て子は育つ」について私たちは話すようになりました。

その際、奥野さんは子どもが親の背中をみることは拝むことじゃないか、と仰いました。

 

親が一生懸命に頑張る姿を見て、目標にして、いつしか見られる側になること。このサイクルが続き家が繁栄していくことで自分と親そして先祖の関係が続いていきます。

両親や祖父母を尊敬の対象として前に進んでいくという点で似ていると感じました。

 

拝殿のなかでは

社務所の中でお話しいただいた後、奥野さんは私たちを拝殿に案内して下さりました。

 

拝殿

 

拝殿内

 

祭典や拝礼を行う拝殿では、様々な貴重品や歴史的遺産が保管されています。今回はその一部をご紹介したいと思います。

 

大般若経第一巻

 

 

こちらは全六百巻ある大般若経の第一巻です。

雨乞いのために使用されそのまま奉納されたもので、市の文化財に登録されています。「般若経ってお寺じゃないの?」と思われるかもしれませんが、当時は神仏習合で神様に対して神社の人もお寺の人も村人もみんなが一緒となって般若経を挙げた、という逸話が残っているそうです。

また、大般若経は一巻も欠けることなく拝殿に保存されています。多くの歴史的遺産物は一部またはほとんどが欠けていることがあるため、全巻保存されているのは非常に珍しいことだそうです。

 

本殿

 

続いてこちらは本殿となります。

本殿には祭られている神様がおられ、大般若経と同じく文化財に登録されています。

本殿は大坂夏の陣に巻き込まれ多くの宝物と共に焼失しましたが、文政11年(1828年)に再建された後からは倒壊や焼失することなく現存しています。

 

雷の手形石

 

本殿と拝殿の間にある中庭部分に雷の手形石と言われている石が二つ並んで置かれています。

雷様が境内に落ちてきてそれに怒った神様がもう2度とこの神社に落ちないという約束をさせます。その際に約束手形として石に雷様の手形をつけさせました。

実際のところその石がどういったものなのかという詳しいことは分かっていませんが、境内には大きな木があるにもかかわらず雷が落ちたことがないそうです。

 

 

神社の中をご案内頂いた後、奥野さんから私たち学生に向けてお言葉をいただきました。

 

「見えないモノを守り続ける、感じるモノを大切にする」

 

お金や地位など見えるものばかりを重要視される方はきっと少なくないと思います。

だからこそ、奥野さんは見えないものも大切にしてほしいと思われています。

 

ご先祖様や他者との繋がりなど、見えなくてもそこにあるものが私たちの周囲にあふれています。

それらを大切にして日々の生活を営んでいく大切さがこの言葉に込められているように感じられます。

 

 

お言葉をいただいた後に、拝殿の前で写真を撮らせていただきました。

お忙しい中取材にご協力していただき、誠にありがとうございました。

 

取材を終えて

感想

河野

私はこれまでに宗教に対して関心を持つことなく過ごしてきました。しかし、取材中のお話し一つひとつが私にはとても新鮮に感じ、宗教のみならず家族や見えないものなど様々な事物対する視野を広げるきっかけとなりました。

 

また、奥野さんは見えないものを大切にするべきだと仰っていました。今回の取材も含め、私がこれまでにお世話になった取材はすべてつながり、すなわち「見えないもの」のおかげで成立していますので、非常にこの言葉は印象的でした。

 

川端

取材中のお話の中で家族に関する話題が多く出てきました。そのことを踏まえこの奥野さんの言葉の「見えないもの」は神様だけでなく、家族のつながりであったり、神様は見えないけれどそこに在るものとして参拝したり、ということが含まれていると感じました。また貴重な資料見せていただき、個人的にも写真を撮らせてもらいすごく良い経験ができ楽しかったです。

 

これから神社では少子高齢化により、管理する者も参拝する者も減っていくというお話を聞きました。これを聞いて私は地域の神社のお祭りを盛り上げるなど、自分のできる範囲で神社の伝統を守り次の世代に繋がるようにしたいと思いました。

 

 

取材先

若江鏡神社

住所:大阪府東大阪市若江南町2-3-9

Tel:(06)6721-2340

Fax:(06)6721-2415

ホームページ:http://wakaekagami.jp/

Facebook:https://www.facebook.com/wakae.kagami/

 

 

取材メンバー

近畿大学 総合社会学部3回 河野隼士

近畿大学 総合社会学部1回 川端日向子

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