全力プレーがモットーの06BULLS韓国人投手
みなさんこんにちは、e-yan通信部です。
蝉の鳴き声がすっかり聞こえなくなりましたが、まだまだ暑い日が続きますね。
そんな中、今回私たちが取材させていただいたのは、尹信根(ユン・シングン)さんです。
尹さんは06BULLSに所属し、左投左打の投手として活躍され周囲からはグンチャンと呼ばれ親しまれています。
06BULLSとは?
東大阪市を本拠地とするプロ野球独立リーグの球団です。
関西を中心に活動しているBFL(ベースボール・ファースト・リーグ)に参入しています。
06BULLSの詳細は公式サイトをご覧ください。
練習や試合のない日は自炊や難波のカフェに行ったり、観光して日本の地理を勉強したりしているそうですが、8月の中旬から下旬にかけて多くの試合が控えており、特に日々鍛錬に励んでいます。
普段の練習
ピッチングやバッティングはもちろん、ランニングで体を鍛えたりフォーメーションで連携の練習もしています。
また自主練として、ランニング10キロの他に、シャドー(自身の投球の構えの確認)、腕立て伏せ(1000~5000回)、腕にゴムを巻いたままの投球の練習などもされています。
尹選手を含めた06BULLSの選手の方々は宝塚医療大学のスタッフによるケアを受けており万全な状態で練習や試合に臨んでいるそうです。
宝塚医療大学の詳細は下記の学校サイトをご覧ください。
活動中に苦労したことは?
チーム内での練習がハードなため、ついていくのが大変だそうです。
また最も苦労したことは、他者とのコミュニケーションが難しかったことです。
コーチによる英語の用語(ピッチングなど)とボディーランゲージを交えての説明のおかげである程度の意味や内容は理解できていますが、重要なことがわからなくて困ったことがありました。
日本に来て二か月が経ち、その間にチーム内で練習や試合などを通じ様々な活動をされてきた尹さん。
その中には苦い経験をされたこともありましたが、周囲のサポートのおかげで乗り越えてきたそうです。
印象に残った試合・アドバイスは?
尹さんの中では初出場した試合と、その次の試合に特に強く印象が残っているそうです。
野球に対して1年間のブランクがあったため、過去に習得した技術や感覚を思い出せず試合で活躍することができませんでした。
コーチから
「特別な技術はいらない。とにかく全力で投げろ。」
と言われ再度プレーしましたが、望んだ結果を出せず悔しい思いでいっぱいになったそうです。
次に出場した試合では、初戦で味わった悔しさをバネにひたすら練習に励み出場しました。
「全力でプレーしろ。出来ないことは、出来るようになるまで手伝ってあげるから。」
と出場前にコーチから言われ、全力で投球しました。
持てる力を発揮し、相手バッターから三振アウトを取ることが出来ました。その後チームは勝利し、その時に尹さんは
「俺の夢は始まった。」
と思い、喜びで満ち溢れました。
2回目の試合は尹さんの努力が実った試合でもあったのです。
この「夢」とは、プロ野球選手として活躍することであり、その第一歩を踏み出せたとこの試合で実感しました。
普段の練習でもコーチから
「ボールを投げるときは、失敗してもいいから全力で投げてほしい。」
と言われており、そのおかげで緊張感がほぐれより良い投球が出来るようになったと尹さんは仰っていました。
また、尹さんはボールを投げるとき右足を出す前に左腕が先に出てしまうようです。
そこでコーチから「後ろに壁があると思って、右足を出してから左腕を出すんだ。」
と具体的にどのように投げるべきなのかを教えてもらいました。
このアドバイスが活かされり、相手チームの得点を簡単に許すことはなくなってきています。
プロ野球選手になるなら
尹さんにはプロ野球選手になるという夢があります。
そこで、どのチームに入団したいのかを伺ったところ、尹さんは広島カープと阪神タイガースと答えてくれました。
尹さんが中学生だった頃に、広島カープの永川勝浩選手が相手バッターから三振アウトを取ってチームが勝利したのを観て感銘を受けたからだそうです。
また、阪神タイガースに所属していたオ・スンファン選手にも強い憧れがあり、その投球スタイルで自分も有名になりたいと思っているそうです。
学生と06BULLSのファンへ向けて
最後に尹さんの今後の目標と、学生と06BULLSのファンへ向けて一言お聞きしました。
e-yan:「今後の目標を教えてください」
尹さん:
「自分のスコアをアップさせること、そしてチームの力になって優勝に導くこと。」
e-yan:「学生に向けて一言お願いします。」
尹さん:
「バイト、会社など自分のやることに後悔が残らないように全力で頑張って下さい。」
e-yan :「ファンに向けて一言お願いします。」
尹さん:
「球場に来てくれたファンの方々を失望させないように全力でプレーします。なので、応援をよろしくお願いします。」
取材を終えて:
尹さんは言葉の理解に苦しんだり、初試合で悔しい思いをされたり様々な困難に直面してきましたが、それらを諦めずに乗り越えてきました。
その背景には、コーチの失敗をも肯定するアドバイスと尹さんの決して諦めない強い心がありました。
06BULLSの公式ホームページ内のプロフィールでも「後悔の無いように全力でがんばります!」と自身の意気込みを述べていました。
これからも周囲のサポートを受けつつ、その強い精神力でチャレンジし続けるでしょう。
個人的に
河野:
「全力で」、「後悔の無いように」と取材の回答中に何度か仰っていたことから、尹さんは何事に対しても全力で取り組む情熱に満ちた方だと感じました。
試合に限らず人は何か初めてのことを行うとき、失敗して苦い経験をする場合があります。私自身も尹さんのように失敗しても、さらに強くなれる人になりたいと思いました。
金:
最初の試合で辛い思いをしても、一生懸命に練習して三振アウトをとり、チームの勝利に貢献した尹さん。私も尹さんのように失敗してもあきらめずに頑張りたいと思います。貴重なお話しをありがとうございました。
取材メンバー
近畿大学総合社会学部 2回生 河野隼士
近畿大学総合社会学部 2回生 金世俊