地域コミュニティ支援室~市民をつなぐまちづくり~
みなさんこんにちは。
e-yan通信部です。
春も終わり、若葉の緑が目にしみる季節となりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
今回の取材先はなんと東大阪市役所!
たくさんの部署がある中で私たちが取材したのは「協働のまちづくり部 地域コミュニティ支援室」です。
担当者の江南さんにお話を伺いました。
取材班:
設立のきっかけ・地域コミュニティ支援室とは何か教えてください。
江南さん:
元々は市役所の中に市民生活部 地域振興室という部署がありましたが、5年前に地域の人達と一緒にまちづくりをしていこうという考えから、協働のまちづくり部 地域コミュニティ支援室に名前を変えたことが始まりです。
いわば、地域全体で協働してまちづくりを進めるために設立された部ですね。
地域コミュニティ支援室でのお仕事は5人でされているそうで、少ない人数で多くの市民をまとめるとても重要なお仕事です。
地域コミュニティ支援室で活動している内容は主に3つの事業と他にいくつかの補助金事業あります。
・東大阪市自治協議会
・防犯関係協議会
・市民会議
・コミュニティニュース「ふれあい東大阪」発行事業補助金
1つずつ詳しく見ていきたいと思います。
東大阪市自治協議会
取材班:
自治会活動、東大阪自治協議会について教えてください。
江南さん:
自治会では、防犯灯・防犯カメラの設置、防災訓練、防犯パトロール、ごみ置き場設置や清掃活動、子どもや高齢者の見守り活動など、市民が日ごろ安心安全にまちで暮らせるように活動をしています。
東大阪で一番大きなボランティア活動とイメージして頂ければわかりやすいと思います。
東大阪には392の自治会があり、概ね小学校区でまとまって校区自治連合会を作っています。校区自治連合会が45校区あり、毎月45校区の連合会長と女性部長が集まって会議(東大阪市自治協議会)をしています。
その会議の司会や資料作り、自治会から出た案を実行に移すなど、会議のまとめの役を地域コミュニティ支援室が担っております。
(↑東大阪市自治協議会の様子です。)
取材班:
自治会にはどのくらいの人が加入しているのですか?
江南さん:
自治会には市民の約7割が加入していますが、全世帯の加入を目標とし活動しています。
自治会に入っていない人も、気づかないうちに自治会の恩恵を受けているんですよ。
例えば、夜出歩いても防犯灯がついているから安心して歩くことができますよね。
防犯灯をつける費用・電気代も自治会で負担をしています。
全世帯が加入すればもっと良いサービスを受けられ、安心安全なまちに住むことが出来るのです!
突然ですが、ここで質問です!
みなさんは自治会に月何円払ってサービスが受けられると思いますか?
正解は200円~500円です!
加入の呼びかけも、自治会に加入している自治会員が加入の呼びかけにいくことで、地域の繋がりもでき、近所付き合いの希薄化を取り戻す対策になっています。
市政だよりには保健所の情報なども載っているので、小さなお子様がいる家庭にもおすすめです。
地域によって金額は異なりますが、最大500円/月でサービスが受けられるのはお得ですね!
防犯関連協議会
取材班:
防犯関連協議会とは何ですか?
江南さん:
市民の防犯意識の向上・普及を図り、犯罪発生の抑止を目的に、『東大阪市枚岡防犯協議会』『河内防犯委員会』『布施防犯協議会』が地域においてさまざまな防犯活動を実施されています。
例えば、学生・児童の夏休み期間における青少年の非行防止をはじめとした「夏期防犯強化活動」、年末に多く発生する犯罪防止をはじめとした「歳末防犯強化活動」を夜間のパトロールを通して犯罪防止に努めています。
取材班:
自治会による防犯活動について教えてください。
江南さん:
ひったくり防止カバーの配布や、地域の防犯パトロール活動をしています。
(自治会によるひったくり防止カバーの取り付けの写真です。)
取材班:
東大阪ではどのような犯罪が多いのですか?
江南さん:
街頭犯罪として、自転車・オートバイ・車や車の部品を狙った犯罪が多いです。
平成13年がピークでそこから3分の1に減少にしましたが、日本全体をみるとまだまだ犯罪がトップクラスで起きているのが現状です。
最近はスマートフォンを注視しながら歩く人も増え、女性や子どもを狙った犯罪も起きています。
また、還付金詐欺も増えております。
市民会議
取材班:
市民会議について教えてください
江南さん:
ボランティア、経営層、色んな職種の人が集まってプランニング・チームを作りテーマに沿って話し合いをします。
東大阪のお祭りである「東大阪市民ふれあい祭り」も市民会議の提言からはじまったものなんですよ。
取材班:
東大阪市民ふれあい祭りについて教えて下さい。
江南さん:
東大阪市全体で何かお祭りをしたい、という意見から生まれました。
地域コミュニティ支援室では運営をお手伝いしますが、 ほとんど市民さんの手でお祭りを作っていきます。
(↑東大阪市民ふれあい祭りのパンフレットです。
なんとこれも市民さんの手作り!)
取材班:
でも大人数の市民の案を会議でまとめるのは大変ですよね。
どのような体制で会議が進められていくのですか?
江南さん:
毎月、プランニング・チームで検討し、市民会議当日は、いくつかのグループを作りグループワークを通して話を進めていき、まとめていきます。
※プランニング・チームとは、市民会議の参加の呼びかけ、テーマの設定、当日の運営、提言書の作成などを行っている委員のこと。
取材班:
会議に参加する年齢層で多いのはどの世代ですか?
江南さん:
やはり年配の方が多いですね。
幅広い年齢層の意見が欲しいのでぜひみなさんに参加してほしいです。
会議の開催の日程は市政だよりやFacebookに載るのでぜひチェックしてみてください!
ふれあい東大阪
取材班:
「ふれあい東大阪」について教えてください。
江南さん:
東大阪コミュニティニュースの会が作っている冊子で年に3回発行しています。
市政だよりでは載せられない地域の情報が載っており、内容は暮らしの情報やコミュニティ活動など様々です。
実は38年間続いている歴史ある冊子です。
(↑ふれあい東大阪の5月号です。
地域の情報がいっぱい詰まっています。)
取材班:
行政ではどんなサポートを行っていますか?
江南さん:
冊子を作成するための補助金を出し、補助金がちゃんと使われているかをチェックしています。
東大阪コミュニティニュースの会がどういう運営をしているかも見て一緒に考えていきます。
取材班:
活動を通して東大阪が変わったと思うことは何ですか?
江南さん:
街頭犯罪については、先ほどのとおりピーク時に比べ、3分の1程度まで減少したことは、警察による警ら活動のほか、自治会や防犯委員会の地道な活動の賜物と思っております。
地域で活動しておられる様々な団体が連携して活動することによって、街頭犯罪の認知件数が格段に減りました。
この他にも地域コミュニティ支援室ではたくさんの活動に携わっています。
地域の人達のコミュニケーションや連携をとるために、実際に地域の公民分館や自治会館に行き、昼間はもちろんのこと、皆さんが集まれる休日や夜の会議にも出席し、説明会や講演会をするそうです。
取材班:
仕事のやりがいは何ですか?
江南さん:
市役所の事業の中で地域の人たちにやってもらいたいことが出てきた場合、自治会の人や地域の人と一緒に出来ることですね。
難しいこともありますが、地域の声や自治会の声を市役所の事業に反映できる点にやりがいを感じます。
取材班:
最後にメッセージをお願いします。
江南さん:
人口減少の時代の中、各市町村で様々な対策がとられていますが、東大阪市も防災・防犯活動などは日本でもトップクラスのことをしているのではないかと思います。
若者が他の地域に出ていく中でも、UターンやIターンを通して東大阪を住みたいまち、住み続けたいまちになるようこれからの担い手となっていただきたいです。
江南さんありがとうございました!
取材を終えて・感想
和田:
取材を通して地域コミュニティ支援室の皆さんの市民の方々との繋がりを大切にしようとする姿勢が伝わって来ました。
市役所の人達と地域の人達とが協力して住みよいまちづくりを目指している東大阪は素敵な街だなと思いました。
森:
市役所での仕事は職場の中のものだと思っていましたが、地域コミュニティ支援室は地域の人と積極的に関わっていくので自分のやりたいことと重なり勉強になりました。
会議なども年配の人だけではなく、学生の人達も参加すれば若い世代の声をまちに反映できるチャンスであることがわかりました。
潟山:
地域コミュニティ支援室の活動は、今後の市民のコミュニティ作りにとって欠かせないものだと思いました。
近所付き合いが少なくなっている中、どのように地域で支え合うか、どのように自治会に加入してもらうのか、私達も考えるきっかけになりました。
取材先:東大阪市役所 協働のまちづくり部 地域コミュニティ支援室
住所:〒577-8521 東大阪市荒本北1丁目1番1号
電話番号:06-4309-3000
Web:http://www.city.higashiosaka.lg.jp/category/18-1-1-0-0.html
取材班:
和田卓也(近畿大学 総合社会学部 心理系専攻3年)
潟山真依(近畿大学 総合社会学部 環境・まちづくり系専攻3年)
森彩香(近畿大学 総合社会学部 環境・まちづくり系専攻2年)